糖尿病食のメニューを考える基本になるのは、1日に必要なエネルギー量です。
エネルギー量の出し方は「標準体重×作業強度」なので、患者の体型や生活環境によって、その数値は異なるということになります。
作業強度は約25〜30で、肥満している人ほど少ない数値を用います。
一般的に糖尿病患者は肥満傾向にあるので、血糖値を下げる効果を高めるためにも25を掛けて算出する場合が多いようです。
肥満気味の中高年の平均的なエネルギー量を見ると、男性が1600kcal、女性は1400kcalです。
しかし、糖尿病患者でも痩せている人や若い人、体力が低下している人の場合には30を掛けて必要なエネルギー量を増やす場合もあります。
また、急に低カロリーの糖尿病食に切り替えることで、食に対するストレスが溜まってしまった人などには、精神的な面を考えて計算し直すこともあります。
それと、糖尿病食は症状によっては内容に注意が必要です。
例えば、腎機能の低下や腎不全などを起こす糖尿病性腎症という合併症を起こしている患者です。
この場合、タンパク質が上手く分解できずに窒素化合物などが体内に蓄積してしまいます。
症状が進むと人工透析が必要になってしまうので、タンパク質の摂取は控えなければいけません。
また、塩分の摂取を制限される患者もいます。
このように、糖尿病食は様々な観点から食材やメニューを考えなければいけません。
日々の食事を糖尿病食にしようと考えている人は、念のため医師に相談をしてから取り入れた方が良いでしょう。