ほとんどの糖尿病食は、塩分を少なくしているために薄味に仕上がっています。
中には、せっかく塩分を減らして糖尿病食を作っても、「味が物足りない」と食べる時に塩や醤油を加えてしまう人もいるようです。
しかし糖尿病の治療にでは、一日当たり何gと決められた量を必ず守ってください。
塩分の摂り過ぎは動脈硬化につながるので危険です。
また、塩分を摂り過ぎると腎臓の負担が大きくなり、糖尿病性腎症という合併症や尿毒症を引き起こします。
腎臓の働きが悪くなると、やがては人工透析が必要になる可能性も出てきます。
糖尿病は合併症を起こすと、さらに症状が悪化して治りづらくなるので、そのような状態を防ぐためにも「塩分控えめ」を常に心がけましょう。
薄味でも美味しい糖尿病食を作るコツは、ダシをきかせることです。
また、ハーブの香りを生かしたり、スパイスを使って変化をつけるなどの工夫も必要です。
また、最近では「低ナトリウム塩」が注目を集めています。
これは塩味は同じですが、塩分が半分になる塩なので、糖尿病食には便利です。
成分は、一般的な塩が「塩化ナトリウム(NaCl)」であるのに対し、低ナトリウム塩は「塩化カリウム(KCl)」です。
塩そのものだけではなく、低ナトリウム食品も販売されていて、中には厚生労働省許可特別用途食品の認可を受けているものもあります。
なお、糖尿病患者でも腎臓の機能が低下している場合には、低ナトリウム塩・食品は摂取しないでください。
確実に症状が悪化するので気をつけましょう。
糖尿病食では、塩分を抑えても工夫をすれば美味しく食べることができるので、頑張りましょう。